パル日記
第4回CTオペレーター養成講座を開催しました(^o^)丿
先週木曜日は先月に引き続き、奈良動物二次診療クリニックの米地先生が来て下さって院内でCTオペレーター養成講座を開催しました。雨で足元のわるい中、先生ありがとうございます!
今回は門脈体循環シャントについて。
なかなか聞きなれない病気だとおもいます。
偶然ですが、今回のセミナーの前日に歯石取りをさせていただいた子が昔、門脈体循環シャントの根治手術をした子でした。いまはとても元気になりシニアライフを満喫してます。
先天的なシャントのことをお話しします(後天性もあるのですが、それは今回はなしということで)
体のなかの大きい静脈には、腸から吸収した栄養分を吸い上げて肝臓に運ぶ門脈と、全身の血液を心臓へ戻す後大静脈があります。
まず腸から吸収したばかりの粗栄養分はまだ不純物だらけで、毒素と同じようなものです。門脈がこれを一旦肝臓に運んで、肝臓内で解毒、アミノ酸の合成を行います。(毒素はこのまま便に捨てられます)
肝臓内で合成された体に有益な栄養は、肝臓から後大静脈に乗って心臓へ行き、全身に送られていきます。
ところが、先天的に門脈と後大静脈が短絡血管でつながっている子は、門脈内の粗栄養(まだ毒素や不純物が含まれている状態)が、解毒されずに直接、後大静脈、そして全身へ送られてしまいます(>_<)
それが食事するたびに毎日毎日繰り返されて、ある日急に吐く、よだれやけいれんが止まらない、そのままいくと肝硬変、といった重篤な症状が出てきます。
この門脈-短絡血管-後大静脈のことを、門脈体循環シャントといいます。
シャントは初期はまったくと言っていいほど無症状です。
なんとなくこの子、小柄で痩せてるな、レントゲンやエコーで肝臓小さいなと心配して血液検査して疑わしかったらCTでシャントを見つけにいきます。
今までは開腹して門脈に造影剤を流して門脈造影しないとシャントの確定診断はできなかったのですが、CTだとお腹を切らずに門脈体循環シャントの確定診断をつけることができるんですよヽ(^o^)丿
画像診断後、シャントが有るか無いか、手術に向いているタイプかどうかを判断し、飼い主様とお話しして治療プランを考えていきます。
ちなみに門脈後大静脈シャントはこんなふうにCTではみれます。
赤矢印はシャントの後大静脈につながっている部位です!
セミナー中のみんな、CT画像を見てシャントを特定してます。CT部の看護師さんも頑張ってます!
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