パル日記

2016.08.10

門脈体循環シャント

みなさんこんにちは!CT部の宮本です。
今回は、ワンちゃんの先天的な病気として知られている”門脈体循環シャント”について紹介します。
小さい子で食後に何か大人しくなるなぁ、、、という子については要注意な病気です
PSS 3D 2
門脈体循環シャントとは、いろいろなタイプがありますが、簡単に言うと”血管の異常”です。どのような血管の異常かというと、腸で吸収した栄養たっぷりの血液がまとまって肝臓に入っていく血管、”門脈”と”静脈”がつながってしまう、というものです。栄養たっぷりの血液が肝臓にうまく入らず全身に巡って行ってしまうと、身体がうまく育たず、また、ひどい場合には血液中のアンモニア濃度が上昇し肝性脳症という脳症状(発作など)を起こします。その他、食欲のムラや床を舐めまわすなどの症状、ふるえ、ふらつき、嘔吐下痢、膀胱結石など様々な症状を引き起こします。
診断については、血中アンモニア濃度や総胆汁酸などの血液検査とCTスキャンでの異常血管の確認が必要になります。
治療法としては、手術ができるときは手術を行いますが、中にはできずに内科療法を頑張らなければいけない子もいます(根本治療ではありません)。状況によりけりですが、手術を行っても一部の子は救えないケースもありますので、非常にこわい病気です。
現在、内科治療にて手術前の準備中です。治療を始めてからは調子が良く、体重も増加してきました!