パル日記
ダニが媒介する感染症(ヒト編)
最近温かくなり、厚い上着も着ることが少なくなってきたマエダです。
花も咲き始め、うちの近くの椿の木にも蕾がチラホラ見うけられました。
草木も活動を始めると、虫たちも活動を盛んにする季節到来です!
ノミ、ダニ、蚊…と外部寄生虫の予防時期到来でもあります。
従来では、犬、猫などの動物のための予防が主体でしたが、最近ダニによる人への感染症も
新聞などで話題になることもあったので、今回はダニが媒介する感染症にどんなものがあるのかを
紹介したいと思います。
マダニが媒介する感染症 ( )内は病原体の種類
・日本紅斑熱(リケッチア) ・重症熱性血小板減少症候群 SFTS(フレボウィルス)
・Q熱(リケッチア) ・ダニ媒介性脳炎(フラビウィルス)
・ライム病(スピロヘータ) ・キャサヌル森林病(フラビウィルス)
・ボレリア症(細菌) ・クリミア・コンゴ出血熱(ナイロウィルス)
・野兎病(細菌)
などがあります。これらは人への感染が問題となっている感染症です。
マダニが媒介して人に感染するウィルスが、日本全国に広がっており、厚生労働省によると北海道
から九州まで30都道府県でウィルスが確認されているとのことです。
これまでに国内で21人が亡くなったという重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は昨年1月に初めて
感染者が見つかったばかり。
当院では動物も人も注意しなければと、当時の新聞の切り抜きを3番診察室に貼っています。
海外ではマダニ対策に忌避剤(虫除け剤)が使用されているようですが、日本ではマダニ用に市販されている
忌避剤は今のところないようです。ディート(忌避剤)の使用でマダニ付着数は減少するようですが、
完全に効くというわけではないようなので、ハイキングや草刈りなど野外活動の際には、長袖、
長ズボンなどで肌の露出を少なくしたり、帰宅後上着は家の中に持ち込まない、シャワーや入浴で
ダニが付いていないかチェックをするなど様々な防護手段と組み合わせて対策を取るのがいいようです。
犬がマダニから感染するバベシア症を媒介するマダニは、フタトゲチマダニ、ツリガネチマダニ、
ヤマトマダニ、クリイロコイタマダニですが、人に感染するウィルスが確認されているマダニは
フタトゲチマダニ、ヒゲナガチマダニ、オオトゲチマダニ、キチマダニ、タカサゴキララマダニと
言われています。共通するマダニがいるので、要注意です。
自分の予防対策ももちろんですが、家にマダにを持ち込まないよう、身近な動物の予防を万全にして
ヒトもワンちゃんもネコちゃんも安心したいですね。
マダニの写真をのせてみました。
虫が気持ち悪い方はこれから下へはご注意下さい。
(厚生労働省ホームページ参照)
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