パル日記

2014.03.09

手ごわい皮膚病、ニキビダニ症

こんにちは!すごくお久しぶりです!獣医師の宮本です。パルのパソコンの新規導入などでなかなかブログに登場できませんでした。申し訳ないです。


今後使用する画像処理システムが、windowsでは使用できず、新たにmacに様変わりしました。診察室もスッキリです。
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今回は、なかなか手強い皮膚病の”皮膚ニキビダニ症”と戦う、ムックちゃんを紹介したいと思います。


皮膚ニキビダニ症(別名: アカラス)は毛穴の奥に住み着く寄生虫で、下のような、顕微鏡じゃないと見えない小さな虫です。

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※虫が苦手な人はご遠慮ください


このニキビダニは、けっこうみんな持っているのですが、免疫力が弱かったり、虫が強かったりすると、難治性の皮膚炎を起こしてしまいます。

検査は、毛穴に住み着いているので、抜毛検査(体毛を抜く検査です)と皮膚表面を削り取るスクラッチ検査を行います。1回の検査で分からないこともあり、2、3回目で分かることもあります。


治療は、飲み薬、注射薬、付け薬、シャンプーがあり、患者さんの状況次第で使い分けています。
今回、ムックちゃんは保護犬ということもあり、心臓にフィラリアがいるので、付け薬 + シャンプーでの治療を行いました。(飲み薬や注射薬を使用すると、フィラリアが死んでしまい、ショック死してしまう恐れがあるからです!)

付け薬は、2週間に1回、特にひどい場所に、シャンプーは当院でのマイクロバブルシャンプーを週に1回程度で、自宅でのシャンプーも合わせて行いました!

※マイクロバブルシャンプー・・・ものすごく細かい泡で体の表面、毛穴の奥の角質をきれいに洗い落とす作用があります。



まずは、ムックちゃんの治療開始の時点の姿です。あちこちカサブタができて脱毛していました。痛そうです。
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そして、約2ヶ月後、、

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毛も生えて、随分キレイになりました!臭いも気になりません。

やっかいな皮膚病として認識されているニキビダニ症では、シャンプー(特にマイクロバブル)の効果は大きく、加えて、もともとノミダニの予防薬として、最近でてきた付け薬のおかげで、今回のムックちゃんのようなイベルメクチンなどの飲み薬、注射薬が使えない子達にもより効果的な治療ができるようになりました。

まだ、あと背中の部分のフケが残っていますが、現在、お家でのシャンプー療法と、付け薬でうまく維持しています!フィラリアのこともあるし、これからも頑張ろうね。

宮本