パル日記

2014.02.10

台湾での狂犬病の発生

去年の夏の話になりますが、台湾で狂犬病の犬への感染がありました{#emotions_dlg.112}
台湾は、日本と同じく50年以上狂犬病の発生が無かった国です。
日本も他人事ではありません{#emotions_dlg.113}

獣医師会報にその経過報告が載っていたのでちょっとお知らせします。

狂犬病に感染したイタチアナグマから咬まれた子は生後45日のわんちゃんでした{#emotions_dlg.113}

まだ幼いので狂犬病ワクチン接種をしておらず、人間と違い法律で狂犬病に感染した恐れのある犬は治療しない事になってますので、可哀想にこの子は飼い主さんから引き離されて動物病疫所に隔離•経過観察になりました。
柊でいうと、ちょうどこのくらいの年頃です。
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隔離されてから約3週間後、食欲が落ち、その2日後に狂犬病の症状が観察された後、安楽死。
死後の検査により狂犬病感染が確定となりました。

台湾では今、犬猫に対しする強化狂犬病ワクチン接種と、幼い犬猫を屋外に出さないよう飼い主に広報し、懸命に次の発生が無いように頑張っています。
幸いにして今の所、犬や人への感染は出てはいないようです。

集団免疫という考え方があって、伝染病の大流行を防ぐため、とくに狂犬病に関しては、日本のわんちゃん全員のうち70%がワクチンをうけていれば大流行は防げるのではないか、という学術的予測があります。
しかし、現在日本の狂犬病予防接種率は50%以下ではないかといわれてますので、いったん日本国内に何らかの原因で狂犬病が持ち込まれてしまった場合かなり怖い事になりそうなのは容易に想像できます。
しかもさっき書いた通り、狂犬病の疑いのある犬は法律で、治療しません(特効薬も無いですし、治療してはいけない事になっています)狂犬病の症状が出るまで隔離して経過観察することになっています。

「もう何十年も日本で狂犬病出てないから大丈夫だろう」
「お隣も、散歩仲間のあのわんちゃんもワクチン射ってないから、うちもいいかな?」
ではなく、
「可能性はかぎりなく低いけど、万が一狂犬病が流行した時にうちの子を守るために狂犬病ワクチン射とう!」
と、考えていただけるととてもうれしいです。

もちろん3ヶ月未満の幼い子、病気のわんちゃん、ワクチンアレルギーの子は予防接種を免除する事が出来ますので、かかりつけの獣医さんとよく相談されて下さい。

健康であれば、おじいちゃんおばあちゃん犬でもワクチンは射てます。
うちの実家の犬は15歳2ヶ月まで地元、筑後市の先生方に狂犬病ワクチンを射ってもらってました。
残念ながら先月、15歳10ヶ月で老衰で亡くなってしまいましたのでもう射てません{#emotions_dlg.133}

最後に台湾での狂犬病発生状況MAPを載せてみます。
限定された地域ではなく、台湾全土で発生が見られているのがよくわかります
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フルフル