パル日記

2014.02.07

第10回日本獣医がん学会に行ってきました

先月はお休みを頂いて、宮本先生と一緒に大阪で開催されたがん学会に行ってきました{#emotions_dlg.098}

早朝5時50分出発!
折尾駅はまだ真っ暗闇です…..
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なぜか今回のがん学会はホテルニューオータニで開催です。今までは大学とか小さいセミナー会場で地道にやっていたのですが、参加者が増えた事もあってはじめて豪華な場所での開催となりました。
自分、とても場違いです{#emotions_dlg.113}
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ちょっと気を取り直して…..今回のメインテーマは肝臓の腫瘍です
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いつもうちの病理検査をして下さっている東大の内田先生も講演にいらしてました{#emotions_dlg.098}
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このときのお話では、転移性でない肝臓腫瘍には肝細胞癌のほかに肝細胞腺腫という、転移しにくい臨床的挙動が良好な腫瘍があるということでした。
肝細胞腺腫はとても大きいしこりをつくるので、挙動が良いといっても破裂やその他の原因で一年半以内に亡くなる可能性が高いのですが、外科手術うまく摘出できた場合は4年以上元気に過ごせる可能性もあるという事でした。

手術することで一緒に過ごせる時間が3〜4倍長くなるというのは大事なことですよね{#emotions_dlg.112}
肝臓に腫瘍ができるのは大概、高齢のわんちゃんなので、どうしても心臓が弱っていたり持病があったりして手術をおすすめしずらいのですが、こういうしっかりとしたエビデンスが出た事で、飼い主様にも手術する事の利点を自信を持ってお伝えできるのではないかと思っています。

ちなみに、これらふたつの腫瘍(癌と腺腫)は厳密には腫瘍を摘出した後の病理検査で区別をつけるのですが、術前のCT検査である程度見分けがつくようになってきたという報告がありました!{#emotions_dlg.099}
肝臓の中、周囲には大きな血管があるので、腫瘍がその血管を巻き込んでないか、癌と腺腫の区別をあらかじめ推測するためにも肝臓にしこりのある子は、ぜひ!CTを撮られたほうがいいと思います。
術者の立場からもCT画像がある方が安心できますので…..

フルフル