パル日記

2014.01.20

高血圧がひきおこす症状

こんにちは、前田です。
今回は、高齢の猫の二次性高血圧症に多いとされる腎性高血圧症を例に高血圧が引き起こす症状
について書きたいと思います。

近年、猫ちゃんも避妊や去勢をしたり、家の中で飼われることが多くなり、長寿の猫ちゃんが増えてきました。
それとともに、高齢ならではの症状も経験することが増えてきているように感じます。
腎性高血圧もそのひとつで、高齢の慢性腎不全の猫に多くみられるようです。
大切にされてきたからこそ、経験してしまう疾患なのかもしれません。
ただし、高血圧症の猫の腎臓は障害されても尿を濃縮する能力はまだ失っていないことが多いようです。

猫では頻度としてあまり多くはないようですが、高血圧に関連した症状が脳および心臓に現れる事もあります。
眼球は高血圧の影響を受けやすい器官である事が知られていて、視力の問題が病院に来院する
きっかけになることがあります。

高血圧が持続することで起こる眼症状には、網膜の浮腫、網膜出血および眼球内の硝子体という部分で
で出血がおこる高血圧性網膜症と網膜剥離や前房出血がみられる高血圧性脈絡膜症があります。
前者は緩徐に進行した場合にみられ、後者は急速あるいは重度の血圧上昇によってみられます。
高血圧性脈絡症.jpg20140224144017.jpg
○高血圧性脈絡膜症 ○高血圧性網膜症
網膜剥離と網膜の浮腫がみられます。   硝子体内出血と網膜浮腫がみられます。

高血圧症は10歳を超えるような高齢の猫に多いため、高齢の猫には血圧測定と眼底検査をしっかり行って
いくのが良いようです。

腎臓の機能低下も高血圧症も高齢になると起こりやすいので、にゃんにゃんドックなど活用して
健康診断してみてはどうでしょうか。
当院では眼底検査はドックとは別になりますが、いつでも対応できます。

症状が出てから、発見されることが多いので、視覚を維持する為にも少しでも早めに見つけて
あげられたらいいですね。