パル日記

2013.11.07

膀胱炎と細菌感染

こんにちは、獣医師の前田です。

最近は、朝がよく冷え込む時期になりましたね。天気がよいと昼間は温かいこともあるので、毎朝子供の
着る服を考えてしまいます。Embarassed

今回は、膀胱炎と尿路結石と細菌感染との関連のお話をしようと思います。

飼っているワンちゃんやネコちゃんがおしっこが出にくいなあ、何度もトイレしたそうだなあと気になった時、
動物病院に行って確認してもらってください。
もしかしたら、膀胱炎や尿路結石で苦しんでいるかもしれません。

最近、頻尿感があって、元気や食欲が落ちてきたみたいという症状の子がいましたが、その子の膀胱の中
には砂状の尿路結石の結晶が多数と、濁った尿を調べてみると多数の細菌感染も併発していました。

尿がアルカリ性になってできる膀胱結石では、細菌も繁殖しやすい環境になるため、細菌性膀胱炎にもなる
可能性があります。

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尿内の細菌です。                  膀胱内の結晶(ストルバイト)です

この場合、尿路結晶の除去以外にも、感染に関しても治療しないと改善は難しいですし、膀胱内の細菌が
腎臓へ影響して腎機能低下を起こしてしまうこともあるので注意が必要です。

尿だけではなく皮膚などでもそうですが、細菌感染防止のために抗生物質を使用します。
感染している細菌に関して抑制効果がしっかりあるかどうかが細菌を減らすためには重要になります。
当院では、細菌培養と感受性試験を行い、抗生剤を決定していきます。

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抗生剤投与2週間の尿(細菌が見られなくなりました)。食事療法で結晶もなくなりました。

感受性試験により抗生剤を処方し、食事療法を頑張ってもらって2週間後の尿検査では細菌や結晶が
みられなくなり、元気も戻ってきたとのことでよかったです。{#emotions_dlg.170}

もし、尿に感染がある場合は尿内の細菌が見られなくなるまでの治療が必要になります。

細菌感染、侮るべからずです!