パル日記

2013.11.12

ダニにまつわる怖い病気

みなさん、こんにちは!獣医師の宮本です。
ずいぶんと寒くなってきましたねCry。寒さが苦手な私は、腹巻が欠かせない状態になりました。

さて、今回は、ダニにまつわる怖い病気、“バベシア症”について紹介しようと思います。
バべシア症は、ダニの唾液腺という、口の部分に住み着いている小さな原虫という生き物で、
ダニがワンちゃんに噛み付くことによってワンちゃんの血液の中に侵入し、「重度の貧血」を
起こす怖い病気です。この“バべシア症”によって、残念ながら亡くなってしまう子も時々
いらっしゃいますCry。ただ、この病気、日本全国にある訳ではなく、温暖な地域に多いことが
分かっています。ここ、福岡、北九州も多発する地域で、たまに見かける病気のひとつです。

さて、下の子は、最近“バベシア症”と診断された「ヴィッツちゃん」です。
可愛いですね。
DSC_2956.jpg

一時危ないときもあり、貧血の数値が、通常40%ぐらいが11%位まで落ち込んだこともありま
した。今はこの数値は正常値になり、すごく元気にしていますが、バベシアは身体のどこかに
隠れて身を潜めますので、再発がないか、しっかり定期検診を重ねて行かなくてはなりません。

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↑血液中に見られたバベシアです。赤い丸(赤血球)の中にバベシア(白い粒)がいます。

これからも頑張ろうね!

こんなかわいい小型犬の子もかかってしまうことがある、この“バベシア症”ですが、予防することが
出来ます。ダニがひっつかないように、付け薬や、飲み薬がありますので(1ヶ月に1回)、今、ダニ
よけをされていない方は、是非始めてあげてください。どのくらいの期間予防すればいいのかは、
お住まいの環境によって違うと思いますが、昨年は1月にダニを引っ付けてこられた方もいらっしゃい
ましたので、一応通年予防をおすすめしています。冬になってくると忘れがちになってしまいますが、
ぜひぜひ続けてあげて下さいSmile

宮本