パル日記
じょく創の治療
こんにちは!獣医師の宮本です。残暑が続きますね。皆様熱中症にはご注意ください。
今回は、寝たきりの子でよく問題になる、「じょく創」の治療について紹介します。
じょく創は、地面と触れている場所、特に肩や腰など脚の付け根部分におきやすく、
ひどい場合は中の骨が見えてしまうこともあります。
下の写真は最近寝たきりになった、『てつ』くんです。
上にかぶさっていたかさぶたを取ると、中の部分(筋肉の付け根の部分)まで
見えてしまっていました。痛そうですね
立てないため筋肉量も落ち、大きく傷ができてしまっていたため、縫合をすぐに
できませんでした。そこで、傷を回復させ、肉を盛らせる特殊なパッドなどをあてて
治療を始めました。
約3週間、そういった治療を続けたところ、ずいぶん肉が盛り上がってきてくれたので、ここで
縫合を行いました。
見た目がずいぶん変わりましたね!高齢ですし、1部分だけだったので局所麻酔で
処置を行いました。
ここから約3週間計画で抜糸を計画しました。
しかし、縫合からおよそ7日目くらいで、やはり結構がんばって縫合を行っていたので、
一部が離れかけていました。そこからは、補強などを行いながら、約2週間で何とか抜糸まで
こぎつくことができました。そのときの様子です。
きれいになりましたね!一度危うかったのですが、無事つながってくれました。まだ、
つながった部分は皮膚が薄いので油断はできませんが、おうちでの管理がずいぶんできる
ようになったので、ほんとによかったです
ただし、じょく創の治療で一番大事なのは、オーナーさんの努力と、愛情です!体位変換や、
傷の当てものの交換などおうちでやっていただくことも多いからです。てつくんも、オーナーさん
の努力の甲斐あって今の状態まで来れました。今後も一緒にがんばっていきましょう
宮本
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