パル日記
異物じゃない事件
今回は、異物かも?と、思ってたら、とんでもない病気だった子のお話です。
いつも外科手術や内視鏡を依頼してこられる先生から、
『フレンチブルドックで、胃に異物があるようなので、内視鏡お願いします』と頼まれたのですが、
確かにレントゲンには胃にくっきりと楕円形の異物が映っているのですが、それだけにしてはとても
調子が悪そうです。
レントゲンでもエコーでも、血液検査でも、既に腹膜炎が起きている像が見られたので、緊急で開腹
手術してみることにしました。
ちなみに青矢印のとこが胃内異物です。
ここから先は手術の画像です。血が苦手な方は、絶対に画像をクリックしないで下さい。
開腹してみたら,案の定お腹の中にあまりキレイでない液体が貯まっています。
ひどい炎症や腸が破けている時によくみられる所見です。
やはりただ事ではないようです。
一番炎症が強いところ、小腸の癒着部を剥がしていくと、腸に大きなあなが空いてました…..
ここから腸液や消化しかけの食事がお腹の中にもれて、腹膜炎がおきていたようです。
これはさぞかしきつかったことでしょう。
先ほどの穴があいた腸は、不健康すぎて縫ってもくっつかないので、切断して健康な腸のところで
縫い合わせていきます。
ところで異物はどうなったかというと、もちろん摘出しました。
胃切開して取り出してみると…..
異物は『毛玉』でした
何ヶ月かかってこんなに大きな毛玉をこしらえたのでしょうか
一応、内視鏡で食道と胃内が異常ないことを確認してお腹を閉じますが、これだけひどい腹膜炎の子は
もうひと仕事してあげないといけません。
腹膜炎からでてくる液がお腹の外に排出できるようドレーンを装着します。
かなり調子が落ちている子の外科手術だったので、縫った腸が破れないかな~、腹膜炎が悪化しな
いかな~、皮膚くっつくのかしらと、かなりハラハラドキドキの入院生活でしたが、術後一週間目ぐらい
から目に見えて元気になってきました
ところで、そもそも小腸が破れた原因て何だったの?と皆さんお気になさっていることでしょうが、最初は
竹串や尖ったもので腸が裂けたのかなと想像していたのですが、破けた小腸を病理検査に出してみた
ところ、
『消化管型リンパ腫』
という結果が帰ってきてしまいました…..
悪性の癌、リンパ腫の中でも最も性格の悪い奴です。
発症したら余命は2週間ないことも多いガンなのですが、個人的な経験では鼻ぺちゃさんは他の犬種に
くらべてなんとなくリンパ腫に強いような感触があったのと、どう見てもこの子が術後バリバリに元気なの
と、そもそも私自身があきらめの悪い性格なので、飼い主さんとよく相談して抗がん剤治療に可能性を
かけてみることにしました。
案の定、というか、思った以上に抗がん剤は効いてくれたようで、今のところ2ヶ月が経ちましたが再発も
せず、元気にしてくれています
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