パル日記
子猫ちゃんの横隔膜ヘルニア
今日は久しぶりに(?)ちっちゃい子の手術のお話です。
生後1.5ヶ月くらいの子猫で、横隔膜ヘルニア(胸とお腹の中の内臓を隔てている膜=焼肉屋さんで
サガリと言ってるところ、がやぶれて、お腹の中の内臓が胸の中に入ってしまっている病気)なんですが
うまれつきの病気なので手術できないと言われた….という、セカンドオピニオンで来院されました。
レントゲンを撮ってみると、確かに心臓と肺があるべきところに腸が入り込んじゃっています。
(ブログの下の方に、手術後のレントゲン写真があるので、比べてみるとよくお分かりだと思います)
確かに先天性(生まれつき)の横隔膜ヘルニアは手術することで余計状態が悪化することがあるので、
手術しないで維持治療をすることが多いのですが、飼い主さん(保護した方)のお話をよく聞いてみると
『ずっと元気でご飯を食べに来ていたのに、ある日突然ぐったりしてた』
とのことでしたので、レントゲン写真をよ~く観察してみると…..骨盤が折れています
(赤い矢印のところです)
これは先天性ではなく、交通事故などによる外傷性の横隔膜ヘルニアの可能性の方が高いです。
危険性はあるけど、手術で治る可能性が高いので、結局飼い主さんとよく話し合って手術する
ことになりました。
血が苦手な方は、画像をクリックしないで下さいね。
画像が大きくなります
手術はお腹側からアプローチします。
破れちゃった横隔膜から胸の方に色々な臓器が入り込んでます。
今回の子は肝臓、胃、大腸の一部、小腸のほとんどが入ってましたので、臓器を傷つけないように丁寧に
お腹側に戻していきます。
内臓を全部戻したところ。黒く見えているのが、横隔膜の破れたところです。
今からここを縫って閉じます。
胸の中に空気が漏れてないか確認して、横隔膜の破れを全部閉じます。
手術後のレントゲン画像。
手術前のと見比べて見てください
胸の中に胃や腸があったときは、ちょっとご飯を食べてもきつくてゼイゼイ言ってましたが、手術後からは
もりもり食事を食べれるようになり、ひとまわり大きくなって退院です
無事おうちに帰れてよかったです。
ふるふる
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