パル日記
2015.06.20
小型犬の頭について
こんにちは、獣医師の宮本です。
CTが稼働して、3ヶ月が経ちました。あっという間です!
今の所、100件近く撮影させていただいており、CT撮影ができるようになってから、診療の幅もグンと広がってきました。
今回は、両後肢膝蓋骨脱臼の整復手術と一緒に、鼻がふがふがする症状があったのでCT撮影を行ったヨークシャーテリアちゃんに見つかった“水頭症(厳密には脳室拡張)“を紹介します。
水頭症は、生まれ持った頭の形や、腫瘍などが原因によって脳の脳室というところにお水が溜まってしまう病気のことです(もともとお水はありますが、その量が増えて脳がパンパンになるイメージです)。症状としては、ボーとする、パニックに陥りやすく怒りっぽかったりする、目が見えない、くるくる回る、てんかん発作、ふらふらする、などなどです。チビちゃんは偶然見つかったのでそれらの症状はありませんでした。
好発犬種は、チワワ、ヨークシャーテリアで、小型犬で鼻が短い子に多いです。先天性の場合は、泉門の開存や頭蓋骨が大きい、後頭骨といって頭の後ろ側の骨の形成が悪いなどといった異常が一緒に見つかってきます。
この子の場合は症状が全くないので、もしも症状が出た場合は治療をしましょうと経過観察をしています。
今回の検査は別の目的で行ったので偶然見つかった形になりますが、まだまだ若い子がこれから気をつけるところがわかってよかったと思います。
何か麻酔をかけることがあった場合は、すぐにCT検査は終わってしまうのでついでにやってしまうといいかもしれません。
獣医師 宮本
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