パル日記
2015.06.27
ボーダーコリーの遺伝病 〜TNS〜
こんにちは!獣医師の宮本です。
今回はボーダーコリーに起こる遺伝病の、TNS(捕捉好中球症候群)について紹介します。
この病気は、白血球の1つである好中球に異常が生じる病気で、免疫力が低下し感染症にかかりやすくなってしまいます。早い場合は生後数週齢から発症し、殆どの場合は亡くなってしまう非常に怖い病気です。ただし、中には4歳以上生きている子がいること、また、症例数が少ないことから実際にはどのくらいの期間長生きできるのかはこれからの課題です。
症状としては様々で、感染する病気によって変わってきますのでなかなか診断まで行くことが少ないのが現状です。
診断は遺伝子検査(血液など)で行います。
今回、原因不明の発熱と痛みなどの症状があり来院されたボーダーコリーちゃんで、このTNSの診断ができた子がいました。
ボーちゃんです。まだまだ若い子で、発症は5ヶ月、この写真のときは8ヶ月、現在10ヶ月になりました。いろいろな薬を使ってもなかなかうまくいかず、僕が通っている鹿児島大学の遺伝病を研究されている先生に相談をしたところ、この病気の疑いがあるとのことで遺伝子検査をしてもらうことができ、診断することができました。
現在は、ステロイドを主体とした治療で経過は良好です。ときどきは元気が出ない日があるのですが、ほとんど毎日元気いっぱいに過ごしています。治療開始から体重もかなり増えてきました。
これからもゆっくり経過を見ながら治療を進めていこうと思っています。頑張ろうね、ボーちゃん!
宮本
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