パル日記
実は結構多いんです!ワンちゃんの心臓病
こんにちは!獣医師の宮本です。
ずいぶんと暖かくなりましたね。子供とお花見に行きました。
近くの公園にいるカンガルー達も暖かそうで気持ち良さそうでしたよ。
さて、今回は、高齢の子で結構多い、ワンちゃんの心臓病について紹介します。
4月に入り、フィラリアの予防時期が迫っている中、健康診断に来られる方が多いかと
思います。この健康診断の時に、結構、心臓の音が悪い子に遭遇します。咳の症状や、
疲れやすい等の症状が出ていないにもかかわらず、実は心臓が悪かったって事が結構あるんですね。
特に一番多い病気としては、僧帽弁閉鎖不全症という病気です。本来ならば、全身の循環に
行かなければならない血流が、弁に隙間が開いてしまい、肺の方に戻ってしまう、
というような病気です。弁に変性が起こる結果と考えられています。下のはイメージ図です。
この病気は、放っておくと逆流を起こした先のお部屋(左心房)が大きくなってしまい、
そのお部屋の上に位置する気管を圧迫し、ひどい咳を引き起こしたり、肺の方へ血流が戻るので、
肺で血液の渋滞が起こり、肺水腫、という命の危険がある病態へと進んでいきます。
さて、この病気は先程も述べた通り、健康診断で偶発的に見つかったり、その他、
手術の為の術前検査で見つかったりと症状が無い中で見つかる事が多いので、早めに対策が打てる
病気でもあります。(もちろん、末期で見つかるケースもありますが・・・。)
その対策法としては、病気の進行度合いを抑えるために、飲み薬を飲む事です!
Effect of benazepril on survival and cardiac events in dogs with asymptomatic mitral valve disease: a retrospective study of 141 cases.
Author information
- 1Unité de Cardiologie d’Alfort, Maisons-Alfort, cedex, France.
上の論文は、症状の出ていない僧帽弁閉鎖不全症のワンちゃんに、ACE阻害剤というお薬を
使用しましたよ、という内容の物で、薬を飲んでいた子は平均で3.3年生きましたよ、
飲んでいなかった子は平均で1.9年生きましたよ、と書かれていました。断然差が出てきていますね!
下の子は、一昨年、スケーリングの時に心臓病が発覚した栗ちゃんです。それから、毎日お薬を
飲んでもらっています。今のところ進行も無く元気に過ごしています。これからも末永く元気に
過ごしていこうね!
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