パル日記

2018.01.26

SUB(皮下尿管バイパス)システム研修に行ってきましたヽ(^o^)丿

インフルエンザ大流行ですが皆さんはお元気にされてますか?
フルサワはインフルは感染しなかったですが久しぶりに風邪が長引いてぜんそく気味です(>_<)仕事には差し支えないのでご安心されてください。

今日は新年早々研修に行ってきたSUBシステムのお話です。
SUBは8~9年ほど前から実用化されている、尿管閉塞を起こした犬猫のための人工尿管です。結石が詰まってにっちもさっちもいかなくなった尿管のかわりに腎臓と膀胱を結ぶバイパスシステムです。画像でいうと以下のような感じ↓↓ 

以前から猫ちゃんの尿管結石には①尿管切開結石摘出して縫合②尿管内部設置型ステントが取り入れられていたのですが、尿管の再狭窄・閉塞が多く再発が問題になるなど欠点があり、それらの欠点をなくす為に開発されてきたのがSUBシステムです。

ただし使用するカテーテルの正しい取り扱い、腎臓や膀胱への接続などでものすごく細かい注意事項が多々あり(注意事項守らないと失敗する可能性が高くなる(>_<))開発者のDr.Chick Weisse & Allysonからも『正しく研修受けてからopeしてね!!(ToT)』
とのリクエストもあって日本では今までに計7回、約140人の獣医師が研修を受けている状態です。

今回の研修は1月7日に日本大学で浅野教授指導で行われました。

浅野教授は巨大な熊さんのような愛くるしい見た目をされてますが、ものすごく外科が上手な凄腕獣医師です。がん学会にも毎回いらして講演もされてますので、過去のブログでも紹介させていただいたことがあるかと思われます(^。^)y-.。o○
明けましておめでとうございますのあいさつから始まった講義の後、午後はみっちり実習です。

参加されている獣医さんと二人一組ペアで術者、助手の実習をします。
SUBシステムは助手も細かい気の利いたアシストが必要なので、術者だけでなく助手のトレーニングも必要なのです<`~´>

今回の実習参加者での記念撮影です(^.^)/

余談ですが、私が獣医師になった21年前には、猫ちゃんやわんちゃんの尿路結石は処方食で溶ける石『ストラバイト』がほとんどでした。現在では溶けない石『シュウ酸カルシウム』の発症が多くなり、猫ちゃんわんちゃんを苦しめる原因になっています。アメリカの結石分析センター調べではアメリカの猫ちゃんの結石は1993~1999年頃にシュウ酸カルシウム結石がストラバイトを上回ったと報告されています。
結石ができるのは体質や飲水量も大きく関係しますが、シュウ酸カルシウム結石に関していえば、『下部尿路疾患対応!』とか『尿路結石に配慮した!』と書かれている市販の安価なドライフード(一般食)はほとんどストラバイト対策しかされていないので、それが原因で逆にシュウ酸カルシウム結石が増加したのではないか?とも推察している獣医師は多いのです。
ネットのキャットフード食べ比べサイトなどでも、素人判断で処方食を選ぶと悪化させたり治療を長引かせることもあるよと注意されてますのでくれぐれもご注意ください(>_<)  

フルフル